自慢じゃないが、僕の家にはテレビがない。
上京してこの方、テレビを置こうと思ったことがない。
ラジオがあるからだ。
視覚でとらえられない、未完成なメディア。
でも、不完全ではなくて、「未完成」なのだ。
テレビにも、このWEBにも新聞にも雑誌にも、欠点はある。
ただ、僕がいちばんこよなく愛しているのは、ラジオだったりする。
ラジオを作る側と、聞く側必ずマンツーマンなことも魅力であり、
ほとんどがリアルタイムを大事にする生放送。
リスナーからの反応が如実に放送に反映されていく
参加型メディアのスピードは本当に魅力的だと思う。
ラジオで想像力にも働きかけるが
WEBとタッグを組み、BBS(掲示板)を用い、
リスナーに電話をつなぐ。リスナーの生の声がはいる。
確かにリスナーがそこにいて、それに共感するなりなにかしら思う
リスナーが時間を共有しているという実感。
つながっている。
リアルタイムの醍醐味。
共有型のメディアの基本はここにあって、いつもココロ躍る。
わくわく、ドキドキする。
いまだに、リクエストがかかるだけで、すごくうれしい自分がそこにいる。
縁あってTOKYO-FM の森田プロデューサーのお話を聞いたことがあった。
彼が手がける
「SCHOOL OF LOCK!」という番組は、
10代の子どもたちの「リアル」を大切にした作り方がされており、
等身大の彼らの毎日といっしょに歩んでいる、
教室のイメージがある。
ラジオの未完成な部分があるからこそ、それを補う形で
10代の子たちといっしょに番組を作り上げていく。
テーマをつくるにあたっても、それが『届く、届かない』を
考える必要がなくなった、と。TFM森田さん談。
BBSから話題を拾い、たとえば、R.N.かんぺぃの「駅で会うあのコ」!などと
校長扮するラジオのパーソナリティーがそれを読み上げることで、
ラジオははじまっていく。それがテーマになっていく。
実は、ラジオが始まる前から、その話題をBBSを通してリスナーが
分かっているという現象がそこにはある。
話題が放送でさらに広がることで、BBSを見る人も増え、書き込みもされ、
参加型メディアはさらに充実されていくわけだ。
くだらない(くだらなくはない)恋の悩みから、親に虐待を受けている子どもの話まで。
テーマは多岐にわたる。
二人三脚のよさを感じたのも、この放送からであった。
なんどか、この番組でジーンとしたこともある。うん。いい番組だ。
10代の聖域な気がして、BBSには参加は出来ないが。
未完成だからこそ、可能性がある。
未完成だからこそ、作る側も聞く側も、奔走したくなる。
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