地元にとんぼ帰りする用事ができたことがあり、
その出先で偶然、
ずっと探していた、
映画「ホノカアボーイ」の初回版のDVDを見つけ、
手に入れることができた。
ずっと探していた、というのもあれこれ理由があるのだが、
ともかく初回版についている「ビーさんの料理本」が欲しかったことが、理由のひとつ。
ホノカアボーイの脚本、監督は電通の方がやってらっしゃるなんてことは、
映画のリーフレットを見てようやく知ったぐらいで、
広告人が大々的にこの映画に関わっていた、
なんてことは実際、見る一般人にはどうでもよかったりすることである。
ただ、ツボに入りすぎてしまい、本当に泣けてしまった。
広告人たちがつくっていたことを知ると、かなり悔しいものなのではあるが、
その映画の脚本然り、
大事にされている全体のトーンのバランス然り、
大いに参考になる点は多かったわけで。
あの映画全体が、ハワイホノカアを広告していることは、
主張しすぎない、ホントにいい速度で観た大体のひとに伝わっているはずであろうし。
「ホノカア、行ってみたいかも。」
なんていう自然な想いが、
ふっと湧いてくることがなによりの証拠。
この映画のなかで大事な役を担っていたのが、
料理である。
かもめ食堂、めがねあたりの流れから来ている昨今の料理×映画の、
ハッキリとしたタッグは目覚ましいとも思えていて。
ホノカアボーイの料理監修は、高山なおみさん。
この映画のプロデューサーが、手紙で口説き落としたとも聞いている。
高山なおみさんといえば、
自分が最近の数あるCMのなかでも、結構気にいっている、
「君と百まで」
のコピーを携えた、
『サントリー烏龍茶』CMの料理監修をされていることでも知られる。
うまそうに見えるだけでない。
その食卓にいちばんふさわしいだろうものが、
『当たり前のように』のっかっている。
そしてその匂いまでなんだかわかるのだ。
なんとなくだが。
ここが匠なのである。
料理家さんであるから、「料理を広告」することを生業としているひと、
なのかもしれないが、
そこに嫌みがないとはなんともうらやましい限りである。
ホノカアボーイ、観て泣いてほしいとはいわない。
その、空気にぜひふれてほしい。
観ていらっしゃらない方であれば。